鮮魚の頭を落として三枚におろし、鰹節の形に捌きます。イリヤマサでは鰹節職人が一尾ごとに熟達した目で確認しながらていねいに捌いています。
鰹の鮮度を保つために、大きな釜で素早く煮あげます。旨味成分となるイノシン酸をしっかりと保持するための大切な工程です。
煮あがった身からひとつずつていねいに骨をとり、さらに鰹のすり身を擦りこんで形を整えます。鰹節のきれいな形の原型がつくられます。
水分を抜き、菌の増殖や酸化を防止し、香気をつける工程です。イリヤマサでは20日間にわたり、樫の薪で100回を越える火焚きをしながら焙乾します。
表面に付着したタール分と焙乾で滲み出た脂肪分を落とし、さらに小刀(デバ)などで形を整えます。鰹節の姿を決める重要な作業で、熟練した技が必要とされます。
さらに乾燥させてから鰹節カビを植菌し、室(むろ)で高湿度に保ちながら定着した後、天日干しをします。この工程を繰り返し、3ヶ月ほどかけて完全に枯れ(乾燥)させて、本枯節が完成します。